~公立高校の入試制度[前編]~ 都道府県別の傾向

公立高校の入試制度は各都道府県によって異なります。

在住の都道府県の入試制度をベースとして捉えてしまうので、「それほど違うの?」と驚かされることもあります。

ここでは、公立高校の入試において合否判定の対象となる5つの項目、

  1. 中学一年生の調査書(内申)の評定
  2. 中学二年生の調査書(内申)の評定
  3. 中学三年生の調査書(内申)の評定
  4. 学力検査(テスト)の成績
  5. その他

への配点(比重)から、主要な都道府県の入試制度の違いを探ってみたいと思います。

※「%」は各項目の配点が全体に占める割合です。この数字が高ければ高いほど、その項目のウエイトが高いことをあらわします。

※各都道府県とも、最も一般的な入試制度を比較の対象としています。

※2023年4月現在。

北海道の一般入試の配点・比重は以下のようになっています。

  1. 一年生の調査書(内申)の評定:90点(11%)
  2. 二年生の調査書(内申)の評定:90点(11%)
  3. 三年生の調査書(内申)の評定:135点(17%)
  4. 学力検査の成績:500点(61%)
  • 調査書が315点満点、学力検査が5教科500点満点となっています。
  • 三年生の調査書評定は、一年生二年生の調査書評定の1.5倍の重みがあります。
  • 原則として、19に分かれた学区から居住区に対して出願を行います。

宮城県の共通選抜の配点・比重は以下のようになっています。

  1. 一年生の調査書(内申)の評定:65点(9%)
  2. 二年生の調査書(内申)の評定:65点(9%)
  3. 三年生の調査書(内申)の評定:65点(9%)
  4. 学力検査の成績:500点(73%)

・調査書(内申)が195点満点、学力検査が5教科500点満点となっています。
・調査書点と学力検査点の比重は、5つの組み合わせ(3:7、4:6、5:5、6:4、7:3)のなかから各高校が設定します。

東京都の一般入試の配点・比重は以下のようになっています。

  1. 一年生の調査書(内申)の評定:─点(0%)
  2. 二年生の調査書(内申)の評定:─点(0%)
  3. 三年生の調査書(内申)の評定:300点(30%)
  4. 学力検査の成績:700点(70%)
  • 調査書点は65点満点として計算したものを300/65倍して300点満点に換算、学力検査は5教科100点満点計500点満点での成績を700/500倍して700点満点に換算します。
  • 進学指導重点校に指定されている日比谷・戸山・青山・西・八王子東・立川・国立等の各校は、自校作成問題実施校として高校独自の問題を出題します。

愛知県の一般選抜の配点・比重は以下のようになっています。

  1. 一年生の調査書(内申)の評定:─点(0%)
  2. 二年生の調査書(内申)の評定:─点(0%)
  3. 三年生の調査書(内申)の評定:90点(45%)
  4. 学力検査の成績:110点(55%)
  • 調査書点は評定9科目×5段階を2倍した90点満点、学力検査は5科目各22点満点の110点満点となります。
  • 各高校は5つのパターンの「校内順位の決定方式」のいずれかから得られた数値をベースとして、校内での順位を決定します。

大阪府の一般選抜の配点・比重は以下のようになっています。

  1. 一年生の調査書(内申)の評定:90点(10%)
  2. 二年生の調査書(内申)の評定:90点(10%)
  3. 三年生の調査書(内申)の評定:270点(30%)
  4. 学力検査の成績:450点(50%)
  • 三年生の調査書評定は一年生二年生の調査書評定の三倍の重みがあります。また、対象となる9科目の評定は科目毎の差違はなく同等に扱われます。
  • 学力検査は難易度に応じて「基礎的問題」「標準的問題」「発展的問題」に分かれており、各高校が選択します。

広島県の一般枠の配点・比重は以下のようになっています。

  1. 一年生の調査書(内申)の評定:4点(4%)
  2. 二年生の調査書(内申)の評定:4点(4%)
  3. 三年生の調査書(内申)の評定:12点(12%)
  4. 学力検査の成績:60点(60%)
  5. 自己表現:20点(20%)

[注]点数は100点満点に換算しています。実際の点数とは異なるのでご注意ください。

  • 広島県では令和5年度より新しい入試制度が始まりました。推薦入試の廃止・調査書の学年間の比重の見直し・自己表現の導入・学力検査等の比重の見直しなど、変更点は多岐に渡っています。

福岡県の一般選抜の配点・比重は以下のようになっています。

  1. 一年生の調査書(内申)の評定:─点(0%)
  2. 二年生の調査書(内申)の評定:─点(0%)
  3. 三年生の調査書(内申)の評定:45点(13%)
  4. 学力検査の成績:300点(87%)
  • 調査書は三年生の評定がメインとなりますが、一年生二年生の評定や学習状況も調査書(内申)に記載されることがあります。
  • 学力検査や調査書で、一部の教科を加重配点・評価する高校があります。

→『~公立高校の入試制度[後編]~ 今後の方向性』に続きます♪

【この記事は2023/5/1掲載記事の再掲です】

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